情報収集

本部を調べる

3.フランチャイズチェーン本部を調べる

<フランチャイジーへのヒヤリング>

検討中のフランチャイザーが協会の正会員でない場合など、十分な資料がない場合はどのようにすればよいのでしょうか。このような場合にもっとも信頼できる情報は、現在加盟店として営業中のフランチャイジーの方々のお話です。営業中の店舗を調べるには、本部に紹介を依頼する方法もありますが、このときに躊躇する本部には注意が必要です。また、フランチャイザーのなかには、加盟店の紹介を求めると、「フランチャイジー(加盟店)がまだないので紹介できない」という場合があります。この場合は一般的にはフランチャイズビジネスの実績があるかどうか、非常に疑わしいケースですので、直営店の実績などをよく調べ、慎重に判断するべきです。また、加盟店を訪問する際に、本部を通さずに営業中の店舗に連絡をとりたい場合もあるでしょう。その場合はNTTの職業別電話帳「タウンページ」を活用すると便利です。また、NTT番号案内サービス「104番」(有料)も活用できます。さらに「インターネットタウンページ」(無料)も利用できます。いずれもチェーン名や所在地で検索ができます。このような方法で2、3店舗以上のフランチャイジーに連絡し、実際に現地に出向いて情報を収集することが重要です。店舗の繁忙時間を避け、趣旨を伝えて教えていただく、という姿勢で臨めば親切に教えてくれるでしょう。合わせてその店舗の立地や営業状況も観察しましよう。

<本部を訪問する>

本部を訪問する前に、そのフランチャイズ本部の「加盟募集パンフレット」をじっくり読んでおいて、分らないところがあったら、メモをしておいてください。あらかじめ加盟店を見学しておくことも重要です。それでは実際に訪問する場合の注意事項を述べます。まず、フランチャイザーの本部に電話をして、訪問する日時を予約をして下さい。会社の組織によって名称の違いはありますが、一般的には「開発部」「リクルート部」などの名称で呼ばれている部署が窓口です。この時本部の方が、あなたの方に訪問すると言っても、必ずこちらから出かけていきます、と強く言って下さい。最初に本部の方に来られてしまうと、後で加盟を断りにくくなります。担当者から会社の概要、チェーンの特徴、加盟のための条件などの説明を聞いて下さい。その際パンフレットを読んだ時に用意した質問も忘れずに聞きましょう。また、場合により強硬に加盟を促されたり、金銭の支払いを迫られた場合は、きっぱりと断る覚悟も必要です。加盟の説明に際して、説明が一方的ではないか、いたずらに加盟をせかせなかったか、質問には十分に答えてくれたかをチェックしてください。さらに、受付の対応や、フランチャイズ本部の応対、他の本部社員の様子も経営状況を判断する上で参考になります。

<フランチャイズ本部の経営者・責任者と面接し「経営理念」を確認する>

フランチャイズ本部の経営者がフランチャイズビジネスに対して、本当に真剣に取り組んでいるかが非常に重要です。その姿勢は、本部の「経営理念」に表れます。経営者が「経営理念」を語る時の態度や言動から、フランチャイズビジネスに取り組む態度が分かります。それは経営者の語り口の巧拙ではありません。「経営理念」は、その企業の経営に対する基本的な考え方であり、「経営理念」「経営目標」「経営哲学」「社是」「社訓」とも呼ばれます。フランチャイズビジネスに限らず、企業経営には、まず「経営理念」があり、これを根底として「ビジョン」(具体的なあるべき姿)が描かれ「基本方針」が確立され、これに基づいてシステムやノウハウが作られていくものなのです。また、フランチャイズビジネスの場合はフランチャイジーもフランチャイザーの「経営理念」を理解し実行することで、別個の独立した事業者である者同士が「経営理念共同体」として、事業を遂行してゆくのです。このため、「経営理念」が、明確であるフランチャイザーであるかどうかが、重要な基準となるのです。

<「法定開示書面」を確認する>

フランチャイザーはフランチャイズチェーンの加盟希望者に対して、フランチャイズ契約を結ぶ前に、加盟希望者に「法定開示書面」(ほうていかいじしょめん)を交付し、説明しなくてはなりません。それは「中小小売商業振興法」という法律に定められています。同法の第11条第1項には開示しなくてはならない、具体的な事項が示されています。「法定開示書面」は一般的には「○○チェーン契約のあらまし」「○○チェーン加盟のご案内」などのタイトルで、書面で加盟希望者に配られます。法定開示書面は、フランチャイズ契約の概要が記されており、加盟希望者は契約書に署名捺印する前にフランチャイザーに必ず請求し、十分検討する必要があります。ただし、この法律は小売業と外食業が対象です。従ってサービス業の場合はフランチャイザーが法定開示書面を準備していない場合があります。(社)日本フランチャイズチェーン協会では、サービス業のフランチャイザーにも法定開示書面で加盟希望者に開示事項を説明することを、強く奨励しております。検討中のフランチャイザーが「法定開示書面」を準備していない場合は、フランチャイザー候補としては慎重に検討する必要があります。

<フランチャイザーの候補を比較する>

本部からもらってきたパンフレットや資料、「法定開示書面」、ヒアリングの結果で比較表をつくってみましょう。

フ本部の比較ポイント

  1. 資本金はどのくらいですか?
  2. 株式は上場されていますか?
  3. 年間売上高はどのくらいですか?(直営店)(加盟店)(合計)
  4. 創業はいつでしょうか?
  5. 今の事業は何時始まったでしょうか?
  6. フランチャイズ店の第1号店の開設年月日は?
  7. 現在の店舗数は何店でしょうか?(直営店)(加盟店)(合計)
  8. 将来の店舗開発計画はどのくらいでしょうか?(年間店舗開発計画)(5年後の店舗数)
  9. その業界での地位はどうでしょうか?
  10. 経営理念は確立されていますか?
  11. 必要な投資金額はいくらかかりますか?
  12. どのくらいの利益があげられますか?
  13. 事業の将来性はどうですか?
  14. 商品の市場性・独自性はありますか?
  15. フランチャイジーの信頼性・信用性はどうですか?
  16. 契約の内容は受入れられますか?

作成したら、その内容とご自分の事業計画や希望、家族の協力などを踏まえて、よく検討してください。開業物件が必要な場合、ご夫婦の加盟が条件な場合もあります。また、開業資金の手当なども考慮しましょう。

<経営計画書の確認>

経営計画書は、加盟をするかしないか、あなたが意思決定をするための、最終的な資料です。主なポイントは次の通りです。

① 必要投資額

チェーンに加盟することを希望しても、もし必要な資金が不足しては成功は望めません。どのくらいの投資が必要か、必要な一切の資金を確認して下さい。たとえば、下記の項目の資金の確認が必要です。

  1. フランチャイズ加盟金(契約金)
  2. 土地・店舗の取得に必要な権利金、保証金、貫入代金などの資金
  3. 店舗の造改築や設備に必要な資金
  4. 商品・原材料の手当に必要な資金
  5. 器具、備品、消耗品などの購入資金
  6. 人件費、開店経費、販促費、雑費など当座の必要資金

これらの資金は、相当に厳密に見積り、計算したつもりでも実際には予想を上回り、予算をオーバーすることがよくあります。開業後の売上金をあてにしなくてもいいように、必要投資額を多めに見積もって資金計画を立てることが望まれます。

② 収益見込

フランチャイザーは、標準的な加盟店の損益計算書から試算して加盟希望者の店の経営予測値を 情報として提示してくれます。これらを参考にして予想収益を十分に検討して下さい。客単価、客数、仕入原価、粗利益率、諸経費などを何度も検討する必要があります。また、必ず発生する月間の必要経費はどれだけか、その経費をまかない、目標となる利益を得るためには、どれだけの売上高をあげなければならないか、予定している店舗の立地でその売上をあげるだけの客数が十分見込めるかなどを慎重に確かめて無理のない利益計画案を作って下さい。

<加盟申込みの際の注意事項>

加盟申込みをフランチャイザーに行なうと、次の段階は本部とのフランチャイズ契約の締結になります。この段階で申込金を徴収するチェーンもあります。そしてチェーンの多くは、申込金を後で加盟金に充当してくれます。しかし、加盟を取り消した場合には、返還されない場合もありますので、申込みの前に、よく説明を受ける必要があります。

<立地・物件調査と売上高の予測>

加盟希望者が開店を希望する立地、物件でそのフランチャイズ店を開いた場合、どの程度の売上 (収益)が見込めるかを検討するために、フランチャイザーは専門的見地から立地調査を行います。立地調査は、大きく商圏調査と物件調査に分かれます。商圏調査は、その立地の通行者数、商圏内世帯数、昼夜間の人口変動、消費動向、競合店の状況、道路交通状況、駅の乗降客などのデータをもとに、そのチェーンの事業が成立するかどうかを評価します。また、物件調査では、建物の面積、形態、視認性などのほか、賃貸条件などを調査します。この結果に基づいて、本部は売上高を予測計算します。しかし、この数値はあくまで予測であり過信は禁物です。

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